一般NISAは2014年1月からスタートし、つみたてNISAは2018年1月からスタート。
詳しくは金融庁のサイトをどうぞ。
一般NISAとは?
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa/overview/index.html
つみたてNISAとは
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/overview/index.html
一般NISAは年間120万円まで、5年先まで非課税。
2020~2023年の4年間制度が使える。
つみたてNISAは年間40万円、20年先まで非課税。
2020~2037年の18年間制度が使える。
現在、NISA制度の改正、延長が議論されている様子。
今回は制度改正などがなくこのまま終了するものと想定して、シミュレーションを行ってみる。
金額設定のため、架空の人物設定
----------------------------------------ここで、唐突に架空の人物「堅物兄さん」登場。
この「堅物兄さん」の人生を想定したシミュレーションを行う。
1992年(平成4年)生まれで、2020年に28歳になり、2057年には65歳になる。
2014年に22歳で大学を卒業し、堅い就職をする。年60万円ペースで貯蓄。
2023年、31歳で結婚する。貯蓄ペースは落ちる。
2025年、33歳。子供に恵まれ、住宅ローンを組み自宅を購入する。
若干背伸びしたため、ほとんど貯蓄はできなくなった。
2028年、2人目の子供も生まれることになる。
2037年、45歳、第一子が中学生となり食費や教育費もかさむようになった。
2054年、62歳、第二子が26歳でようやく大学を卒業し、大きな支出の心配もなくなった。
2057年、65歳、定年。やれやれ。
2014年就職時、ニュースでNISAなる制度ができたことを耳にするが、
当時はまだ手元に資金がなく、また投資そのものが自分からは縁遠いものと思っていた。
2019年、いわゆる「老後2000万円問題」なるものが報道され、不安に感じた。
2019年現在、堅実に過ごしたおかげで余裕資産が300万円ある。
貯蓄を正しく投資に回すと、増えるってきいたことがある。
そういえばNISAとかいう有利な制度があるんだっけ?
もしこの制度使ったら、将来どのくらいになるんだろう。
一般NISA?つみたてNISA?どっちが有利なんだ一体。
2000万円まで増えてくれるならそっち選びたい。
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シミュレーション設定
2020年から2023年まで一般NISAを使い、2024年からつみたてNISAを利用する場合と、2020年から2037年までずっとつみたてNISAで積み立て続ける場合で
どちらの利益が大きくなるか?をシミュレーションする。
以下、シミュレーションを行う条件。
・NISA枠は最大限利用し、残りの投資資金は特定口座で運用する
・どちらのNISAも、何らかの手段を用いて年初一括投資とする
・リターンは全世界株式を想定し、年間5%とする。
・非課税運用(NISA)では課税されないため年5%運用を想定、
課税運用(特定口座)利益に税金がかかるため年4%運用を想定する
・投資資産は2020年初期投資額として300万円、
2021,2022,2023年は60万円ずつ追加、
2024年は40万円追加、
2025~2037年は6万円ずつ追加、
合計投資元本は598万円とする。
・比較期間は2020年~2057年。
・その他、比較用データ。
投資利益に課税がなかった場合(年5%運用し、課税なし)
特定口座で課税繰越運用した場合(年5%運用し、最終年に利益確定)
特定口座で通常運用した場合(年5%運用し、毎年利益確定。→便宜上、年4%運用で計算)
一般NISAが、投資先をつみたてNISAと同様の制限となり継続した場合
(資金がショートする2024年のみ、つみたてNISA、それ以外の年は一般NISA利用)
シミュレーションの前に、単純な計算を行う。
一般NISAの投資枠1年あたり利益を計算する。
120万円を年5%で5年保有すると153万1538円となり、利益額は 33万1538円
つみたてNISAの投資枠1年あたり利益を計算すると、
40万円を年5%で20年保有すると106万1319円となり、利益額は 66万1319円
単純にNISA枠の利益額のみを計算すると、
4年間一般NISA、14年間つみたてNISAで1058万4618円
18年間つみたてNISAの場合1190万3742円
それぞれの枠を最後まで保有した場合、つみたてNISAのほうが利益額は大きい。
だが、一般NISAは年間の投資額が大きい都合、早い段階で資産が大きくなる。
具体的にどうなるのか?以下がその表・グラフとなる。
シミュレーション結果(グラフ)
グラフ。左は単位は万円。一般積立:一般NISAを使ってから、2024年からつみたてNISAに移行
積立のみ:NISAに関してはつみたてNISAのみを利用
投資額:投資元本。投資を一切しなかった場合の額面に相当。
まずは合計額。
2034年までは一般NISAを使ったほうが、
2035年からは積立NISAのみで使ったほうが多い。
ほとんど誤差といっていい。
投資元本に比べれば格段に増えているため、投資を行うことは重要。
投資期間中の
NISA評価額 (オレンジ) と、
特定口座評価額 (青) のグラフ。
まずは一般NISA→つみたてNISA。
初めのころはほとんどNISA利用となり効率が良い。
次はつみたてNISAのみ利用の場合。
特定口座が生んだ利益があるため、
598万円の投資元本で720万円分のつみたてNISA枠を利用できている。
シミュレーション結果(表)
以下、表に各種計算結果。西暦年の他、架空の人物「堅物兄さん」 の年齢も記載。
比較用のデータとともに今回のシミュレーション結果を置いておく。
各項目説明。
年 :西暦。
年齢 :架空の人物「堅物兄さん」の年齢。1992年(平成4年)生まれ設定。
投資額 :今回の試算のために恣意的に設定した、その年までの合計投資元本。
無税 :投資全額に税金がかからなかった場合、年5%運用。
課税繰越:利益確定を先延ばしし年5%運用し、指定の年に利益確定したパターン。
尚、利益確定前は 無税 と同じ額面となる。
特定 :毎年利益確定した場合。年4%運用相当。
一般継続 :今後も120万円で非課税期間5年の制度が継続した場合のシミュレーション。
資産がショートする2024年のみ、つみたてNISAを、それ以外を一般NISAを利用。
2024年までは一般NISA→積立NISAと同じ運用をしていることになる。
一般積立:一般NISA→2024年からつみたてNISAを利用した場合。
積立のみ:一般NISAを使わず、つみたてNISAを毎年利用した場合。
以上、2020年からの一般NISA、つみたてNISAシミュレーション~有利なのはどちら?~
の、シミュレーション結果。
結論としては「前半は一般NISA利用、後半はつみたてNISAのみが有利」だった。
どちらを選んでも定年までに2000万円到達するうえ、
差もほとんど誤差なので好みで決めていいと思う。
また、堅実な人であれば今回設定した投資元本598万円以外にも
貯蓄をしているはずなので、老後資金の心配は全く必要ない。
ちなみに私は一般NISAを選んでいる。
理由は、この辺の理由でより有利と考える為。
・今後14年先まではシミュレーション上で勝っていること
・一般NISAの(中身は変わるとはいえ)制度継続が検討されていること
・2026~2042 年まで、およそ500万円の特定口座評価額がある。
これを「課税繰越」する方法で運用すると、シミュレーションより利益改善が見込める
その他読み取れること。
2057年時点の課税繰越、と特定、では443万円の差がある。
長期間の投資では、課税繰越(利益確定の先送り)によってリターンの改善が見込める。
また、2057年時点の無税、と特定、では1000万円以上の差がある。
計算上、年間リターンは5%と4%、わずか1%の差だが、最終的にこの差が出る。
コストの低い投資信託を選ぶことの重要性を示している。