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2019年7月14日日曜日

幸福の「資本」論―――あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」

幸福の「資本」論―――あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」
https://www.amazon.co.jp/dp/4478102481


作者による、この本の要約がある。
本の宣伝なので結論は直接的には書かれていないが、
もはやほとんど結論を書いているような内容。
どう考えても大サービス。
‐幸福の資本論1‐
「幸福な人生」を実現するために必要なものとは?
https://diamond.jp/articles/-/130902

-幸福の資本論2-
「幸福のインフラ」は2つ以上あると人生は安定する!
[橘玲の日々刻々]
https://diamond.jp/articles/-/130925


この本では、人生における幸福の条件を、大まかに3つに分類して考えている。
金融資産、人的資本、社会資本。

1、金融資産
お金のこと。これが十分にあると「経済的独立」ができ、自由を得る。
嫌なことやお金で解決できるタイプの不幸を避けることで幸福度の低下を防げる。

2、人的資本
大まかに、自身の仕事とその稼ぎのこと。
お金の他、やりがい、生きがいといった自己実現を達成できるものが理想的。

3、社会資本
「幸福」は社会資本からしか生まれない。
貨幣空間とよぶ、「弱いつながり」と、
政治空間(さらに愛情空間、友情空間に分かれる)とよぶ、「強いつながり」がある。
貨幣空間ではお金やその類似概念を媒介に、無限大に広がる空間だが、
主観的には1%程度の重要度。
非常にシンプルで、市場の倫理(商人のルール)で動く。
政治空間はお金なしでつながる範囲で、非常に狭いが主観的には最も重要な範囲。
統治の倫理(武士のルール)で動く。
また、それぞれの人が政治空間から影響を強く受ける「間人」なのか、
比較的影響を受けにくい「個人」なのかを大まかに判断する簡易テストも載っている。


気になった個別内容
金融資産編;
・現代の日本に生まれたという奇跡的な幸運により、「誰でも」、
 幸運にも、誰にでも億万長者になって経済的独立を達成できる可能性がある。
 その条件は勤勉と倹約、共稼ぎを行うだけ。ちょっとした努力するだけ。
 逆に言うと、なれないなら自己責任である、という残酷な事実。
・家族(自分含む)一人あたり800万円(世帯なら1500万円)程度までは
 収入が増えるほど幸福度が増す。
・金融資産1億円までは資産が増えるほど幸福度が増す。
・収入、金融資産が一定額を超えてくると幸福度は(ほぼ)変わらなくなる

人的資産編;
・お金持ちになるたった3つの方法、「お金持ちの方程式」
 1、収入を増やす
 2、支出を減らす
 3、資産を上手に運用する
 富 = 収入ー支出 + (資産×運用利回り)
 ゼロ金利の世界では運用利回りもゼロに近づいてしまう
・自己実現の条件(例:ダイエット)
 1、努力は必ず報われる(食べなければ必ず痩せる)
 2、しばしば誘惑に負けてしまう(食欲はヒトの根源的な欲望)
・人的資本投資先(働き方)選択条件
 1、収入は多ければ多いほど良い
 2、同じ収入なら安定していたほうがいい
 3、同じ収入なら自己実現できるほうがいい
・仕事は大まかに分けてマックジョブ(バックオフィス)
 クリエイティブクラス(スペシャリスト、クリエイター)
 とあり、クリエイターのみが「果ての国」(時給換算での給与上限がない)の仕事、
 それ以外は「月並みの国」(時給換算での給与上限がある)の仕事
・ネットオークションなどの評判が収益に直結するような状況では、
 悪意を持ったまま善人として生涯を終える、ということがありうる
・少子高齢化は深刻。だがそれ故に若年者は希少価値を持ち、ある程度の優遇を受ける。
・フリーエージェントとして生き残る条件
 1、好きなこと(あるいは得意なこと、苦にならないこと)に人的資本のすべてを投入
 2、それをマネタイズ(ビジネス化)できるニッチ分野を見つける
 3、官僚化した組織との取引から収益を獲得する

社会資本編;
・「幸福」は社会資本からしか生まれない
・「愛情空間」、「友情空間」(二つ合わせて政治空間)、
 「貨幣空間」とあり、政治空間は貨幣の混入を嫌う
 (貨幣が絡むと貨幣空間に変貌してしまうことがある)
・関係性からの影響の受けやすさで、
 影響を受けやすい「間人」と受けにくい「個人」に便宜上分類
・うつになりやすい人は、ポジティブな影響も受けやすい
・サラリーマンは比較的幸福度が低い。
 個人事業主(フリーエージェント)はサラリーマンよりやりがいが高く、安定度が低い。幸福度は高い。
 公務員はサラリーマンよりやりがいは低く、安定度が高い。幸福度は高い。
・「ほんとうの自分」とは、幼いころに友達グループのなかで選び取った「役割=キャラ」の別の名前

エピローグ;
・幸福な人生への最適戦略
 1、金融資産 「経済的自由」の実現。金銭的な不安から解放され、自由な人生が手に入る
 2、人的資本 子供のころのキャラにあった天職をみつけ、「ほんとうの自分」で自己実現する
 3、社会資本 政治空間←→貨幣空間 の選択で、人間関係を選択できる
・「幸福の統一理論」
1、金融資産は分散投資する
2、人的資本は好きなことに集中投資する
3、社会資本は小さな愛情空間と大きな貨幣空間に分散投資する

本から読み取った分析内容、感想;
・人生の一部を数値化することで具体的な目標が立てやすくなる。
 金融資産はいろいろと欲しいものを買って、さらに1億円残ると幸福度MAX
・人的資本は年収800万円までで幸福度MAX。
あとはやりがいがあるか、安定しているかの職業を選ぶと良い。
・社会資本に関しては難しい。
政治空間:貨幣空間は客観的には1:100だが、主観的には100:1程度。
つまりは主観的には政治空間のつながりは、貨幣空間のつながりの1万倍の影響がある。
また、その影響の受け方で「間人」「個人」で分けられているが、
これは株価指数に対しての個別銘柄の変動割合を示す「β値」のような印象を受けた。
貨幣空間のつながりの1万倍の影響を「1」として、
それより低いと「個人」、高いと「間人」。
マイナスになる「変人」もきっといるのだろうが、この本に記載はない。
・富があれば貨幣空間から面倒ごともなく幸福を出力できるが、
その効率は政治空間より格段に低い。(およそ1万分の1)
 富 = 収入ー支出 + (資産×運用利回り)
の方程式から社会資本に関係する部分を考える。
収入は高いほど良いが、時間や体力を社会資本構築に回す余裕が欲しい。
支出は低いほど良いが、それにより社会資本構築が極端に減るのは回避したい。
ちょうどよいバランスを追求していきたい。

自身に生かすためのメモ;
・金融資産1億円超を目指し資産運用しよう。
 納得できるリスクリターンの資産配分をする。
・現在の人的資本の投入先は、それなりに満足する水準の給与とやりがいがある。
 評価を上げる働き方をするか、評価される投入先に移動するかは常に考えておく。
・社会資本からしか幸福は生まれない。
 私はおそらく間人。政治空間はコンパクトに丁寧に築き上げたい。

自身の現状;
ソロ充が一番近い。ここからお金持ち、あるいはリア充を目指したい。
超充を目指すためにはパートナーは必須か。

2019年7月5日金曜日

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界
(amazonへのリンク)

いわゆるGAFA
G グーグル
A アマゾン
F フェイスブック
A アップル
がいかなる存在か、それによる影響は何か、を解説した本。

およそ300ページでGAFAを、100ページほどでそれ以外について記述がある。
図も豊富で非常に読みやすい。

大まかにGAFAがヒトの何をつかむのか、の記述を読むと
グーグルはヒトの脳を拡張し、アマゾンはヒトの手足となって商品を持ってくる。
フェイスブックはヒトの心を満たすつながりを作り、アップルはセクシー、らしい。
アップルの評価されている理由として挙げられている記述が、私には理解できない内容だった。
(難しいという理由ではなく、宗教が違う、といった意味合いで。)

後半のnextGAFAでは有望な企業の紹介がある。
そのうちの一つ、マイクロソフトは見事に現在(2019.7.5)、1兆ドルを超える世界一の時価総額となっている。
アップル、アマゾンが1兆ドルを超えたのは一瞬だったが、マイクロソフトは割と長い期間1兆ドルを超えている。

10章では、著者の考える、個人が経済的成功を収めるための条件が記載されている。
作者は起業家のため、起業家寄りの成功条件となっている。
ただし、「私が知る中でいちばん幸せな人は、収入以下の生活ができる人だ。」という記述は、
起業家ではないサラリーマン、公務員などにも当てはまり、実行可能。
「豊かさとはいくら稼ぐかよりも、きちんと計画を立てることなのだ。」
…その内容には賛同するが、これを言っている人は億万長者なんだよなぁ、と考えると少し落ち込む。

世界最大級の企業の成功の理由や、自身が成功するための条件を大まかに把握することができる。
娯楽として読めるビジネス書。

2019年7月4日木曜日

amazon 世界最先端の戦略がわかる

amazon 世界最先端の戦略がわかる
(アマゾンへのリンク)

地球上で最大の小売業で、「四騎士」と称される企業の一つ、amazonについて書かれた本。
利益のほぼすべてを投資に回して事業拡大、技術開発による効率化、さらなる事業拡大を行い、
もはや何物もその影響から逃れられなくなった、驚異的な企業。

分厚くて読むのは大変か?と一見思えるが、平易な分で書かれており、図も多いので
小説やライトノベルを読める人にとっては苦も無く読める。

気になったポイントまとめ
1、CCCがおよそ-30日、商品を仕入れてから、お金が入るまでの期間マイナス。売る前に金が入る。
2、AWS、アマゾンウェブサービス。膨大となった商品管理のために電子化、自動化。
 PC処理能力の余りを切り売りすることから開始し、現在ではamazonの利益の過半を稼ぐ。
3、FBA。お金の回収から発送までアマゾンにお任せで個人でも出品できる。
4、多産多死の技術開発。とにかくやってみる。
5、将来の競合は買って取り込む。無理ならつぶす。
6、単年度の利益は重視せずに成長を優先。
7、やっていることは好調時の日本企業とほぼ同じ。ただ、そのスピードが極端に速いだけ

AWS、クラウドサービスが現在の稼ぎ頭で、かつ世界最大のクラウド提供者、というのは初耳だった。
小売事業ではおおむね利益ゼロ前後、まるでリアル店舗の特売商品のような扱いで規模を追い、
その規模から生み出される余剰計算能力からAWSで利益を、集客力からFBAでマイナスのキャッシュフローを、
そしてそれらのビッグデータを解析して更なる利益・規模拡大を目指す。
といった感じ?
アマゾンと競合して業績が不調、あるいは倒産する、という「アマゾンエフェクト」「デスバイアマゾン」
という言葉も生まれるほどの影響力を持っている。

今後株を買うならamazonの手の届かない業種か、買収対象となるとこにしたほうがいいかも。
買収対象候補は下手したら競合となってつぶされる危険もあるから特に注意しておこう。

2019年7月1日月曜日

敗者のゲーム(新版) なぜ資産運用に勝てないのか

敗者のゲーム(新版) なぜ資産運用に勝てないのか
アマゾンへのリンクになっています

新版、とあるので私が読んだのはおそらく原著第二版。
2015.1.24発行の原著第6版がすでに発行されている。

気になった内容;
・証券市場は、様々な基準で成功を積み重ねることで利益を得られる「勝者のゲーム」から、ミスをするものが負けて脱落していく「敗者のゲーム」へと変わった
・「市場に勝つ」ことを目指して「敗者のゲーム」に参加すると、コスト差によりほぼ確実に市場平均に負ける。
・タイミング投資を行い、損失を避けて利益を上げようとするのは「悪魔の囁き」。ただし、未来予知できる人を除く。
・今が旬、話題の株、などはすでに割高なことが多い
・リターンの源泉はリスク(リスクプレミアム)。回避できないリスクもあるが、分散投資減らせるリスクもある
・運用基本方針を策定し、守るべき。それにより感情的な取引からくる損失を抑えられる。
・長期投資家は株が下がったら喜ぶべき。収益が高まるから。上がったら悲しむべき。損失が増えるから。
・アメリカ株の超長期的なリターンは実質6.75%(税引き後かな?)
・債権は株式より特別安全、ということはない。価格変動もあればインフレ負けもある。
・適正な資産配分で、市場に長く居続けることで着実に資産を増やせる

自分の解釈;
・アクティブファンドやアクティブな投資家により市場は効率的かつ適正な価格に調整される。
 そのため、インデックスファンドへの投資は実質的にほぼ無料でプロを雇っているようなもの
・アクティブファンドのようなプロの入ってこない、または少ない市場は、まだ勝者のゲームである可能性がある?
・コストが低く、分散投資されているインデックスファンドへの投資でプロの4分の3に勝てる。

2019年6月30日日曜日

ウォール街のランダム・ウォーカー <原著第10版>―株式投資の不滅の真理

ウォール街のランダム・ウォーカー <原著第10版>―株式投資の不滅の真理
amazonへのリンクが張ってあります

2011.6.18発行。
2019.7.20には原著第12版が発行予定。
ページ数が483→512と増えていて、版を重ねるごとに内容が追加されている。
でも私が読んだのは<原著第10版>なので、これについて感想文を書いておく。

インデックス投資の教科書的な書籍。
全般において、データ分析付きで詳しく書いてある。
また、ページ数が多いため体力と根気がそれなりに要求される。
よくわからない、興味のない話はいったん読み飛ばして次の章に進み、気の向いたときに読み直したほうがいい。
またアメリカの人が、アメリカ市場を元に書いた本なので、それを踏まえて読む必要がある。

 第1部;チューリップバブルから、リーマンショック前半の住宅バブル崩壊までの歴史。
第1章、第2章は歴史教科書にも載るような話を広げていてある程度なじみがある。
第3章、第4章がアメリカ主体でいまいちピンとこない。日本株でお願いします
 第2部;各種投資手法とその実績
様々な投資手法について、データ付きで詳しく書いてある。
どの程度有効か、意味がないか。
 第3部;新しい各種投資分析手法
比較的新しく出てきた理論、投資手法について、分析されている。
 第4部;おすすめの投資法とその理由
これまでのアセットクラス(投資商品)別の実績リスクリターンを示し、
各個人のリスク許容度・選考、年齢別におすすめの投資方法(資産比率)を例示してある。

情報がとても多いので、自分用に読み取ったことをまとめておく。
・未来はランダムウォーク。その証拠に、プロと猿の選んだ銘柄それぞれでパフォーマンス差はほとんどない。
・税金、売買手数料、スプレッドなどのコストはリターンを押し下げるので可能な限り避けるべき。
・上記二つの理由から、未来予知能力を持たない凡人は低コストなインデックスファンドがほぼ最善。
・ドルコスト平均法は、リスクを下げリターンを安定させる。定期的な追加投資資金の手に入る労働者にぴったり。
・リバランスはリスクを低下させ、リターンを高める
・未来はランダムウォーク。少なくとも米国株について、短期的な変動は不明だが、長期的には配当込みで年10%程度のリターン実績がある。

2019年6月29日土曜日

難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!

難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!

本の内容まとめ;
お金のプロ・山崎元氏が、お金の素人・高橋弘祐氏の質問に答える形式で進んでいく。
そのため、この本を執筆した時点での高橋弘祐氏と状況が近い人、知りたい情報が近い人ほど役に立つような本になっている。

高橋弘祐氏のそれらしい情報を抜き出してみると
・お金の素人
・38歳独身サラリーマン男性
・保有財産500万円
・結婚予定など、将来のことは未定
・元本は減らしたくないが、年2%くらいは増やしたい
・細かい話は置いといて、大まかな理由と結論が知りたい

本の最重要ポイント;
この本でのおすすめの運用方針としては
手持ちの資産を以下のように分け運用すること。
・当面の生活資産(預金)
・安全資産(日本個人向け国債)
・リスク資産(国内株、先進国株を1:1)

自身への効果・影響;
私にとっての新規の情報はほぼなかったが、わかりやすくまとめてあるため、
これまで自分の中で漠然と散らばっていた情報を整理できた。
お金のプロ・山崎元氏 をネット検索し、再度その情報を一通り読みこんだ。

(2019.7.15追記)
これまで読んでいたネット記事や本の著者をざっと確認したら、
かなりの割合でこの著者だった。
この本を読む前から、既に著者から影響を受けていた。
それならこの本による「新規の情報」はないのは当然か。
あとで読み直すために著者記事をまとめておく
著者のネット記事リンクまとめ
楽天証券 ホンネの投資教室
東洋経済 投稿記事
DIAMOND online 「山崎元のマルチスコープ」