また、不明点(企業秘密?)を探る。
前回→理論上最強?話題のレバレッジバランスファンドを比較する(1)
今回は各社公式のシミュレーション結果比較、投資先を比較。
各社のシミュレーション結果について
各社の画像を載せてみると、後発になるほど数字を大きく見せているのがわかる。グローバル3倍3分法
約15年で10倍以上ウルトラバランス世界株式
約20年で約21倍楽天・米国レバレッジ・バランスファンド(USA360)(米バラ360)
30年で約112倍期間伸ばせばそりゃあリターンの数値も大きくなるよね
シミュレーション結果まとめ
表にして、それぞれまとめると以下の通り。(円ベース)シンプルな組成のUSA360の最大ドローダウンが
グローバル3倍3分法ファンドより低いのは驚き。
それから、ウルトラバランス世界株式はもっと情報公開してほしい。
他がしっかり公開しているリスク情報公開しないのは印象が悪い。
コスト、投資先まとめ
信託報酬、投資規模、ポートフォリオ比較。レバレッジ掛けたまま金を保有したい場合はウルトラバランス世界株式。
世界経済の半分を占めるアメリカに集中投資するならUSA360
為替リスク概算
為替リスクのかかる資産比率は、投資資産に対してはそれぞれ概算でグローバル3倍3分法 74.5%
ウルトラバランス 96.7%
USA360 100%
くらいかな?
先物は証拠金相当分にしか為替変動がかからないため、
実質投資規模よりも為替変動リスクのかかる資産は小さくなる。
リスク想定(半ばギャグ)
考えられるリスクシナリオを事前に挙げておき、実現してしまった場合に慌てないよう備えておく。
1、インフレ懸念等で急激な利上げ(債券価格は下落)
→どのファンドも債券部分が下落。利上げは株価も基本的に下落する。
レバレッジの都合、1倍ファンド以上に下落する可能性あり
2、運営会社破綻で償還
→日興証券、アストマックス(yahooが親会社)、楽天。 そこまでの心配はなさそう。
資産は保全されているはずなので返還をのんびり待つのみ。
3、急激な円高による資産価値目減り
→USA360、ウルトラバランスが外国資産レバなし100%とほぼ同等の影響を受ける。
投下資産当たりではレバレッジ1倍と同等の影響だが、資産規模でみると1/3の影響。
むしろ若干為替リスクを抑えられているので、「レバレッジバランス」ということを
気にする必要はない。
4、レバレッジバランスファンドが超人気となり、1兆円を超えるファンドになった場合
→投資先は個別株投資ではなく、各アセット全体に投資している。
各アセットは十分に大きいので、この投資額程度では
ファンド自身の大きさが影響してリターンが落ちる、
ということは考えにくい。
5、4のシナリオから30年たち、100倍(100兆円)まで順調に育ってしまった場合
→グローバル3倍3分法ファンドがこの規模になった場合、明らかな問題が発生する。
日本の上場REITの時価総額(2018.5月末時点)が12兆円、
対してこのファンドだけでの日本REITへの投資額が20兆円。
上場REITの時価総額を、このファンドだけで大きく超え、167%にも上る。
何の工夫もなく運用した場合、高値掴みするのは明らか。
そのほか、レバレッジバランスファンドの影響により投資先各資産の連動性が高まり、
投資の分散効果が低下し、リスクが上昇することが考えられる。
参考までに年金の運用資産額を調べると、が2019年9月末で160兆円ほど。
この年金運用額であってもそれなりに日本株が上下するため、それ以上に影響を
及ぼすとなるとどこかのファンドに逆に食い物にされてリターンも減るだろう。
30年で112倍、とか堂々と書いてあったら、リスクシナリオの一つとして、
念のために考えてもいいよね。
1つのファンドの投資額で現状の1アセットの時価総額を超えることを危惧するとか、
現段階ではギャグにしか見えないけれど。